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技術コラム

段付きボルトとは?用途や使い方について解説いたします!

段付きボルト CAP①
段付きボルトは単なる締結部品ではなく、機構部品として設計意図を反映させる重要な要素です。
本コラムでは、段付きボルトの基礎知識から用途、選定時の注意点、そして当社の対応体制まで詳しく解説します。

段付きボルトとは

段付きボルトとは、軸部の途中に外径の異なる「段(肩)」を設けたボルトのことを指します。一般的なボルトは、頭部とねじ部で構成されますが、段付きボルトはそれに加えて、ねじ部とは異なる外径寸法の軸部を持つ点が大きな特徴です。

この段差部分(肩部)は、

・部品の位置決め

・ストッパー機能

・軸支持

・クリアランス確保

などの役割を果たします。

つまり、段付きボルトは「締め付けるための部品」であると同時に、「動きを制御するための部品」でもあります。そのため、通常のねじ部品とは設計思想が異なり、外径公差やはめあい設計が極めて重要になります。

段付きボルトの別の名称と使われる業界

段付きボルトは用途や業界によって呼び方が異なります。代表的な名称と主な使用業界は以下の通りです。

ショルダーボルト

業界:産業機械/自動化設備/半導体製造装置

英語の“shoulder(肩)”に由来する名称で、段部の機能を明確に表しています。可動機構やユニット部品の位置決め用途で広く使用されています。

肩付きボルト

業界:精密機器/医療機器/組立装置

日本語で形状をそのまま表現した呼称です。図面指示や現場での口頭指示でも使用されることが多い名称です。

ストリッパーボルト

業界:金型関連/プレス金型/射出成形金型

主に金型分野で使われる名称です。ストリッパープレートの動きを制御する用途で採用されることが多く、耐摩耗性や精度が重視されます。

段差ボルト

業界:専用機設計/治具設計/試作開発分野

形状の特徴をそのまま表現した名称です。特注部品や図面ベースでの設計現場で使われることがあります。

これらの分野では、可動部や摺動部の精度管理が極めて重要であり、単なる締結以上の機能が求められます。そのため、段付きボルトは「固定部品」であると同時に「機構部品」として扱われることが多く、採用頻度も非常に高くなっています。

段付きボルトの頭部形状の使い分け

段付きボルトは、締結と位置決め・軸機能を兼ね備えた機構部品であり、軸部だけでなく頭部形状の選定も重要です。代表的な形状には、六角穴付き、外六角、低頭、皿頭などがあります。
六角穴付きタイプは省スペース性に優れ、装置内部や精密機構に多く採用されます。外六角タイプは高トルク締結や作業性を重視する大型機械や保守箇所に適しています。低頭タイプは高さ制限がある箇所に有効で、皿頭タイプは表面をフラットに仕上げたい場合に使用されます。
頭部形状の選定では、工具スペース、締付トルク、周辺部品との干渉、メンテナンス性などを総合的に検討することが重要です。段付きボルトは機構設計に直結する部品であり、用途に応じた適切な選定が装置全体の性能向上につながります。

段付きボルト CAP

段付きボルトの特徴と用途

特徴

■ 軸径とねじ径が異なる構造
段付きボルトは、ねじ部とは別に外径寸法の異なる軸部(段部)を持つ構造が最大の特徴です。この段部がストッパーや位置決め基準面となるため、単なる締結部品ではなく、機構部品としての役割を果たします。

■ はめあい設計が可能
軸部はh7やg6などの公差指定が可能で、すきまばめ・中間ばめ・しまりばめといった、はめあい設計に対応できます。これにより、回転精度や位置再現性を確保することができます。

■ 高精度加工に対応
用途によっては外径公差数ミクロン単位の管理が必要になる場合もあります。そのため、旋削加工だけでなく、研磨仕上げによる精度確保が行われることもあります。

■ 特注寸法が多い
段部長さやねじ長さ、逃げ寸法などは装置設計に合わせて最適化されるため、標準規格品ではなく図面製作品となるケースが一般的です。

■ 表面処理や熱処理との組み合わせが可能
使用環境や荷重条件に応じて、焼入れ焼戻し、浸炭、窒化処理、無電解ニッケルメッキ、硬質クロムなどを組み合わせることが可能です。これにより耐摩耗性や耐食性を向上させることができます。

主な用途例

■ リンク機構の回転支点
アームやレバー機構の支点として使用され、回転精度と耐久性が求められます。

■ スライド機構のガイド軸
直線運動を行う機構において、位置決めとガイドを兼ねる部品として使用されます。

■ ベアリング固定用軸
ベアリング内径に合わせた公差設計を行い、確実な支持と安定した回転性能を実現します。

■ 金型の可動プレート支持
ストリッパープレートなどの可動部を安定して支持し、繰り返し動作に耐える強度が必要です。

■ ローラー支持軸
搬送装置などでローラーの回転軸として使用され、摩耗や荷重への耐性が求められます。

特に摺動用途では、表面粗さや硬度が製品寿命に直結します。粗さが不適切であれば摩耗や焼付きの原因となり、硬度不足であれば早期摩耗につながります。そのため、焼入れ後研磨仕上げや適切な表面処理との組み合わせが重要になります。

段付きボルトは、設計条件に応じた精度・材質・処理を選定することで、装置全体の性能と信頼性を大きく向上させることができる機械要素部品です。

段付きボルトの材質・表面処理選定ポイント

段付きボルトは、用途や使用環境に応じて材質と表面処理の最適な組み合わせを選定することが重要です。

強度とコストのバランスを重視する一般機械用途では、炭素鋼に黒色酸化皮膜や三価クロメートメッキを施す仕様が適しています。

摺動部や回転支点など摩耗が問題となる箇所では、合金鋼に焼入れ焼戻しを行い、さらに高周波焼入れや硬質クロムメッキを組み合わせることで耐久性を高めることができます。

屋外や高湿度環境ではステンレス鋼や溶融亜鉛メッキが有効ですし、薬品環境下では耐食性に優れたステンレス鋼や特殊表面処理が選択されます。

軽量化が求められる場合は、アルミニウム合金に陽極酸化処理を施す方法もあります。

用途・環境・コストの三要素を総合的に検討することが、長寿命化と安定稼働につながります。

段付きボルト 比較 材質違い

当社が手掛ける段付きボルトの特徴

当社が手掛ける段付きボルトは、単なるねじ加工品ではなく、機構部品としての役割を重視したご提案を行っている点が大きな特徴です。使用条件や組み付け精度などを見据え、製品全体の性能向上につながる設計をサポートしています。

設計段階からの技術サポートにも力を入れており、図面段階での公差検討や材質選定についてもご相談いただけます。用途や使用環境に応じた最適な仕様をご提案し、トラブルの未然防止とコスト最適化を図ります。

また、試作1本から量産まで対応可能な小ロット・多品種対応体制を整えており、開発案件や特注品にも柔軟にお応えします。さらに、熱処理・研磨・表面処理までを国内ネットワークで一貫管理することで、品質の安定と納期遵守を両立しています。

公差保証や検査体制も充実しており、必要に応じて検査成績書の提出も可能です。特注形状や複雑な段構造にも対応できる体制を整え、お客様の多様なニーズにお応えしています。実施いたします 。他社で断られた高難度の相談も、当社の技術者が柔軟に解決いたします 。

当社の段付きボルト実績製品のご紹介

S45C 段付きボルト 製作品

段付きボルト④

こちらは、産業機械のロボット関係に用いられる段付きボルトの製作品になります。市販にない形状の為、鉄からの全加工にて製作対応致しました。

表面処理にリューブライトの指定がございました。頭部首下の段部に公差がある製品だったため、表面処理前に膜厚分多めに切削することで、処理後公差通りに仕上がるように調整いたしました。

S45C すりわり段付きボルト 製作品

こちらは、産業機械の搬送関係に用いられる段付きボルトの製作品になります。

一般的には六角穴が開いていますが、今回はスリ割り(リセス)加工での製作をご依頼頂きました。

市販品に相当品があまり流通していないため、特注製作品として全加工対応いたしました。

段付きボルトの特注製作・追加工なら、株式会社山崎にお任せください

段付きボルトは、単なる締結部品ではなく、機構設計を支える重要な機械要素部品です。適切な設計・選定を行うことで、装置の精度向上、部品点数削減、組立性向上といった効果が期待できます。

一方で、軸精度や材質選定を誤ると、摩耗やがたつきなどの不具合につながる可能性もあります。

当社では、設計支援から製作、検査まで一貫対応しております。段付きボルトの特注製作や仕様見直しをご検討の際は、ぜひお気軽にご相談ください。

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