技術コラム
ワッシャーの種類と役割とは?用途に合わせた選び方もご紹介します!
本コラムでは、代表的な座金の種類や特徴、メリット・デメリット、使用される場面について解説します。
座金(ワッシャー)とは
座金(ワッシャー)とは、ボルトやナットの締付面に挟んで使用するリング状の締結部品です。締結部の荷重を広い範囲へ分散させることで、相手材への食い込みや変形を防ぐだけでなく、締付力を安定させる役割も担っています。
また、振動による緩みを抑えるものや、電気的な導通を確保するもの、防水性を高めるものなど、用途に応じたさまざまな種類が存在します。機械設備、自動車、建築、電気設備など、あらゆる産業分野で使用されており、締結品質を左右する重要な部品の一つです。
平座金(平ワッシャー)
平座金の特徴
平座金は、最も一般的に使用される座金で、中央に穴が開いたシンプルなリング形状をしています。ボルトやナットの締付け荷重を広い範囲へ均等に分散させることで、相手材への食い込みや傷付きを防止し、安定した締結を実現します。
アルミや樹脂、薄板など比較的柔らかい材料では、ボルトやナットを直接締め付けると変形や陥没が発生する場合がありますが、平座金を使用することで荷重が分散され、部材への負担を軽減できます。また、締付面が平らになることで締付力も安定し、ボルトやナット本来の性能を発揮しやすくなります。

材質は鉄、ステンレス、真鍮、樹脂など幅広く、使用環境や耐食性に応じて選定されます。
メリット
・荷重を均等に分散できる
・相手材を保護できる
・締付面が安定する
・種類やサイズが豊富
デメリット
・緩み止め効果はほとんどない
・用途によっては他の座金との併用が必要
使用される場面(一例)
・産業機械
・建築金物
・自動車
・家具
・一般設備
ばね座金(スプリングワッシャー)
ばね座金の特徴
ばね座金は、リングの一部に切れ目を入れ、らせん状にねじった形状をした座金です。締め付けることでばねの反発力が働き、ボルトやナットの緩みを抑制することを目的としています。
以前は緩み止め部品として広く採用されていましたが、近年では高性能な緩み止めナットやくさびロックワッシャーなどの普及により、用途に応じて使い分けられるようになっています。
それでも施工が容易でコストも比較的安いため、一般産業機械や設備では現在でも多く使用されています。

メリット
・振動による緩みを抑えられる
・施工が容易
・低コスト
・規格品が豊富
デメリット
・強い緩み止め効果は期待できない
・繰り返し使用には適さない
・高振動環境では他製品が推奨される場合がある
使用される場面(一例)
・産業機械
・建設機械
・配管設備
・一般設備
歯付き座金
歯付き座金の特徴
歯付き座金は、内側または外側に鋭い歯が設けられた座金です。締め付け時に歯が相手材へ食い込むことで、回転を抑制し、緩み防止効果を発揮します。
また、塗装や酸化皮膜を突き破って金属同士を接触させることができるため、アース接続や電気的な導通を確保したい箇所でも多く採用されています。
内歯形・外歯形など複数の種類があり、用途に応じて使い分けられています。

メリット
・回転を防止できる
・緩み止め効果がある
・導通性を確保できる
・アース接続に適している
デメリット
・相手材に傷が付く
・装飾部品には不向き
・再利用には適さない
使用される場面(一例)
・制御盤
・配電盤
・モーター
・電気設備
・電子機器
皿ばね座金
皿ばね座金の特徴
皿ばね座金は、円すい状の形状をした座金で、締め付け時にばねのようにたわむことで軸力を維持します。
振動や温度変化によってボルトの締付力が低下しやすい環境でも、ばねの復元力によって締結力を保持できることから、高精度機械や大型設備などで広く使用されています。
複数枚を組み合わせることでばね特性を変更できるため、使用条件に応じた設計が可能な点も特徴です。

メリット
・締付力を維持できる
・振動に強い
・温度変化に対応しやすい
・高荷重にも対応可能
デメリット
・組付方向に注意が必要
・平座金より高価
・用途に応じた選定が必要
使用される場面(一例)
・工作機械
・プレス機
・大型設備
・産業機械
・精密機器
特殊座金
特殊座金の特徴
標準的な座金以外にも、使用環境や目的に応じてさまざまな特殊座金が使用されています。
例えば、大きな荷重を分散する「大径座金」、防水性能を高める「シールワッシャー」、傾斜面でも安定した締結ができる「球面座金」や「テーパーワッシャー」、高い緩み止め効果を持つ「くさびロックワッシャー」などがあります。
特殊座金は、一般的な平座金では対応できない課題を解決するために開発されており、建設機械、インフラ設備、精密機器など、高い信頼性が求められる分野で採用されています。

代表的な種類
・大径座金
・シールワッシャー
・球面座金
・テーパーワッシャー
・樹脂ワッシャー
・くさびロックワッシャー
アプセットネジ(座金組み込みネジ)
アプセットネジの特徴
ここまでご紹介したように、座金は一般的にボルトやナットと組み合わせて使用する部品です。しかし、座金単体だけでなく、あらかじめボルトに座金を組み込んだ「アプセットネジ(セムスネジ・座金組み込みネジ)」と呼ばれる製品もあります。
アプセットネジとは、ボルトに座金を組み込んだ状態で、座金が脱落しないよう首下部分を塑性加工(アプセット加工)した締結部品です。
組立時に座金を一つひとつセットする必要がないため、作業効率の向上や部品の紛失防止につながります。また、座金の入れ忘れを防止できることから、品質の安定化にも貢献します。
自動車や家電、産業機械など、大量生産が行われる製品では広く採用されており、「SEMSネジ(セムスネジ)」や「座金組み込みネジ」と呼ばれることもあります。

メリット
・座金の脱落を防止できる
・組立時間を短縮できる
・座金の入れ忘れを防止できる
・部品管理がしやすい
・自動組立にも適している
デメリット
・座金の交換ができない
・特殊仕様ではコストが高くなる場合がある
・組み合わせる座金の種類に制限がある
使用される場面(一例)
・自動車部品
・家電製品
・OA機器
・電子機器
・産業機械
座金を選ぶポイント
座金は形状が似ていても、それぞれ役割や性能が異なります。そのため、使用環境や締結条件に合わせて適切な種類を選定することが重要です。
選定時には、荷重条件や振動の有無、使用するボルト・ナットとの組み合わせ、材質、表面処理、耐食性などを総合的に確認しましょう。
適切な座金を使用することで、締結部の安全性や耐久性が向上し、設備のトラブル防止にもつながります。

座金・ワッシャーのご相談なら、(株)山崎にお任せください
座金は小さな部品ですが、締結部の荷重分散や部材の保護、緩み防止、軸力保持など、重要な役割を担っています。
平座金やばね座金、歯付き座金、皿ばね座金など、それぞれに異なる特徴があるため、使用目的や環境に応じて適切な種類を選定することが大切です。
当社では、ボルト・ナットをはじめ、各種締結部品や追加工品のご相談にも対応しております。用途に合わせた締結部品の選定や特殊加工についても、お気軽にお問い合わせください。