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技術コラム

寸切りボルトとは?用途・特徴・選定ポイントをわかりやすく解説

寸切り すりわり①
寸切りボルトは、建築設備や産業機械、配管設備など、さまざまな分野で使用される代表的なねじ部品の一つです。
本コラムでは、寸切りボルトの基本構造や一般的なボルトとの違い、主な用途、選定時のポイント、さらに当社での取り組みについてご紹介します。

寸切りボルトとは

寸切りボルトとは、ボルトの全長にわたってねじが切られているボルトのことを指します。通常の六角ボルトのように頭部を持たず、棒状の部材全体がねじ山で構成されている点が大きな特徴です。

寸切り 丸先

この構造から、寸切りボルトは以下のような名称で呼ばれることもあります。

 ・全ねじボルト

 ・長ねじボルト

 ・寸切り

 ・スレッドロッド

英語では「Threaded Rod」と呼ばれることが一般的です。

寸切りボルトの最大の特徴は、必要な長さに切断して使用できることです。あらかじめ決められた長さのボルトを使用するのではなく、現場や装置の仕様に合わせて自由に長さを調整することができます。

また、両端にナットを使用して締結することができるため、部品の固定や設備の吊り下げなど、さまざまな用途に対応できます。特に設備工事や配管工事では、現場での柔軟な対応が求められるため、寸切りボルトが広く使用されています。

寸切りボルトの別の名称と使われる業界

寸切りボルトは、用途や業界によって呼び方が異なることがあります。代表的な名称としては以下のようなものがあります。

寸切りボルト

主に建築設備や配管工事の分野で使用される呼び方です。

全ねじボルト

機械設計や製造業の分野でよく使われる名称です。

長ねじボルト

長尺のねじとして使用する場合に使われることがあります。

スレッドロッド(Threaded Rod)

海外規格や輸入部品などで使用される英語名称です。

寸切りボルトが使用される主な業界には、以下のような分野があります。

工事現場で寸切りボルトを使用している画像

建築設備工事

配管やダクト、設備機器を天井から吊り下げて固定するための支持部材として使用されます。

空調・ダクト設備

空調ダクトや換気設備の支持金具と組み合わせ、天井から安定して吊り下げるために用いられます。

配管設備

給排水配管やガス配管などの支持部材として使用され、現場で長さ調整がしやすい点が特徴です。

産業機械

装置の固定や架台の組立、治具の高さ調整など、機械設備の組立・調整用途で使用されます。

プラント設備

大型設備の配管支持や機器固定など、高荷重環境での構造部材として利用されます。

電気設備工事

ケーブルラックや配線ダクト、分電盤などの支持・固定部材として使用されます。

特に建築設備分野では、配管やダクト、ケーブルラックなどを天井から吊り下げる用途で広く使用されています。また、機械設備では装置の固定や架台の組立などに使用されることも多く、非常に汎用性の高い締結部品といえます。

一般的な六角ボルトとの違い

寸切りボルトは、一般的な六角ボルトと比較すると構造や用途にいくつかの違いがあります。

最も大きな違いは頭部の有無です。六角ボルトにはレンチで締め付けるための六角頭部がありますが、寸切りボルトには頭部がありません。そのため、締結の際にはナットを使用して固定する必要があります。

また、ねじの構造にも違いがあります。六角ボルトは一部にねじが切られている半ねじタイプが多いのに対し、寸切りボルトは全長にわたりねじが切られています。

さらに、長さの自由度も大きく異なります。六角ボルトは規格ごとに決められた長さの製品を使用しますが、寸切りボルトは長尺材を必要な長さに切断して使用することが可能です。このため、現場での寸法調整が容易というメリットがあります。

こうした特徴から、六角ボルトは主に部品同士を直接締結する用途に使用されるのに対し、寸切りボルトは設備の支持や吊り下げ、長尺部材の固定などに多く使用されます。

寸切りボルトを使用する目的

寸切りボルトは、さまざまな設備や機械で使用されていますが、その主な目的にはいくつかの共通点があります。

まず挙げられるのが、長さの自由度が高い点です。長尺のボルトとして使用できるため、設備の高さ調整や距離調整などが容易に行えます。必要に応じて切断することで、現場条件に合わせた柔軟な施工が可能になります。

次に、両側からの締結が可能である点です。寸切りボルトは両端にナットを取り付けることができるため、部材を挟み込む形で確実に固定することができます。これにより、設備の安定性を高めることができます。

さらに、設備の吊り下げ用途に適している点も重要な特徴です。天井や梁から設備を支持する場合、寸切りボルトを使用することで高さ調整が容易になり、施工性が向上します。

このように、寸切りボルトは単なる締結部品というだけでなく、設備構造を支える重要な部材として多くの現場で使用されています。

寸切りボルトの特徴と用途

寸切りボルトは構造がシンプルでありながら、多くの特徴を持っています。

まず、長尺部材として使用できる点が大きな特徴です。長い距離を固定する必要がある場合や、設備を吊り下げる用途において非常に便利です。

また、現場で長さ調整が可能であるため、設計寸法と施工条件に差がある場合でも柔軟に対応できます。設備工事の現場では、この調整性が大きなメリットとなります。

さらに、材質や表面処理の選択肢が多い点も特徴です。一般的な鉄製品だけでなく、ステンレス製や高強度材質など、使用環境に応じた選定が可能です。

主な用途としては以下のようなものがあります。

 ・配管やダクトの吊り下げ

 ・ケーブルラックの支持

 ・機械設備の固定

 ・架台やフレームの組立

 ・建築設備の支持部材

このように、寸切りボルトは建築設備から機械設備まで幅広い分野で使用される汎用性の高い部品です。

寸切りボルトの選定ポイント

寸切りボルトを選定する際には、いくつかの重要なポイントがあります。

まず重要なのが強度区分です。使用する荷重条件に応じて、適切な強度のボルトを選定する必要があります。強度が不足していると、曲がりや破断の原因となる可能性があります。

次に考慮すべきなのが材質です。一般的には鉄製のボルトが多く使用されますが、腐食環境ではステンレス製の寸切りボルトが選ばれることもあります。

また、表面処理も重要な選定要素です。屋内設備ではユニクロメッキなどが一般的ですが、屋外や腐食環境では溶融亜鉛メッキなどの防錆性能の高い処理が求められることがあります。

さらに、使用するねじ規格や長さについても確認が必要です。ミリねじ、インチねじなど規格が異なる場合があるため、既存設備との互換性を考慮する必要があります。

これらの条件を総合的に検討することで、安全性と耐久性を確保した寸切りボルトの選定が可能になります。

当社が手掛ける寸切りボルトの特徴

当社では、寸切りボルトを単なる規格品としてではなく、お客様の用途や使用環境に合わせた最適な仕様でご提案しています。使用条件に応じた材質や表面処理の選定を行い、加工手配まで一貫して対応することが可能です。

表面処理については、ユニクロメッキやクロメート、黒染めなどの一般的な処理に加え、耐食性や耐久性が求められる用途向けに無電解ニッケルやジオメット処理などの特殊処理にも対応しています。用途や使用環境に応じて最適な処理を選定することで、製品の信頼性向上に貢献しています。

また、寸切りボルト単体だけでなく、ナットや座金、金属スペーサーなどを含めた複合部品の一括処理にも対応しており、品質のばらつきを抑えながら納期短縮を実現しています。

さらに、試作段階からの技術相談や小ロット・多品種の製作にも柔軟に対応しています。「この仕様で製作できるか」「どの表面処理が適しているか」といったご相談にもお応えし、お客様の用途に最適な寸切りボルトをご提案いたします。

当社の寸切りボルト実績製品のご紹介

SUS304 寸切りボルト 追加工品

こちらは、板金加工業界で用いられるSUS304製の寸切りボルトになります。

工具で締め付けができるように、片側に六面取り加工をしてほしいとのご依頼を頂きました。

自動機で加工することで、公差レンジに収まるように正確に加工対応致しました。

SS400相当 寸切りボルト 追加工品

こちらは、産業機械の繊維関係に用いられる寸切りボルトの追加工品になります。

機械に取り付けたのちに、先端のキリ穴に繊維を通して使用したいとの、機能的なご要望を頂きました。

自動機にて一貫して加工対応をいたしました。

寸切りボルトの特注製作・追加工なら、株式会社山崎にお任せください

寸切りボルトは、全長にねじが切られたシンプルな構造の部品ですが、建築設備や機械設備において重要な役割を果たしています。長さの自由度が高く、設備の固定や吊り下げなど多様な用途に対応できる点が大きな特徴です。

一方で、使用環境や荷重条件に応じて適切な材質や表面処理を選定することが重要です。選定を誤ると、腐食や強度不足によるトラブルにつながる可能性もあります。

設備の安全性や耐久性を確保するためには、使用条件を整理したうえで適切な仕様を検討することが大切です。寸切りボルトはシンプルな部品でありながら、設備全体の信頼性を支える重要な機械要素部品といえます。寸切りボルトの特注加工をご検討の際は、是非お気軽にご相談ください。

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