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技術コラム

意外と知らない「イモネジ」の基礎知識について解説します!

イモネジの尖り先製品 追加工品①
機械部品の固定方法の中でも、比較的小さな部品でありながら重要な役割を担っているのが「イモネジ」です。
本コラムでは、イモネジの基本的な特徴から用途、種類、選び方のポイントまでを分かりやすく解説します。

イモネジとは

イモネジとは、頭部がなく全体がねじになっている小さなねじのことを指します。

正式には「止めねじ」と呼ばれ、主に部品同士の位置固定や回転防止の目的で使用されます。

通常のボルトや小ねじと違い、イモネジには六角頭や十字頭などの頭部がありません。

その代わりに、ねじの内部に六角穴やマイナス溝が設けられており、六角レンチやドライバーで締め付けます。

名前の由来については諸説ありますが、「頭がなく丸い形状が芋に似ている」「埋め込むように使用するため芋のように見える」といった説が一般的です。

イモネジの呼び方と業界ごとの名称

イモネジは機械部品の固定や位置決めに使用される小さなねじですが、実は業界や用途によって呼び方が異なることがあります。図面やカタログ、現場で異なる名称が使われることもあるため、それぞれの呼び方を理解しておくと部品選定や注文の際に役立ちます。

棒先加工したイモネジ①

主な呼び方には次のようなものがあります。

イモネジ(芋ねじ)

日本の製造現場や工具販売、機械部品の通販などで最も一般的に使われる呼び方です。頭部がなく丸い形状をしていることから、この名称が定着したと言われています。

止めねじ

機械設計や技術図面、規格書などで使われる正式名称です。JIS規格でも使用されており、図面では「六角穴付き止めねじ」と表記されることが多く、技術的には最も正確な名称といえます。

ホーローセット

機械加工や金属加工の現場で使われる俗称です。部品注文の際に現場用語として使われることがあります。

セットスクリュー(Set Screw)

海外で一般的に使われる名称です。輸入機械や海外メーカーのカタログ、英文図面などではこの表記が用いられます。

このようにイモネジは、同じ部品でも使われる業界や地域によって呼び方が異なります。現場では「イモネジ」や「ホーローセット」、設計や規格では「止めねじ」、海外では「セットスクリュー」と呼ばれることが多く、それぞれの名称を理解しておくことで図面やカタログを読む際の混乱を防ぐことができます。

イモネジの主な用途

イモネジは、機械部品の固定や位置調整など、さまざまな用途で使用される締結部品です。ここでは、代表的な用途について紹介します。

軸と部品の固定

最も一般的な用途は、シャフトと部品の固定です。
例えば、

・プーリー

・ギア

・ノブ

・ハンドル

・カップリング

などの部品をシャフトに固定する際に使用されます。

部品側にタップ穴を設け、そこにイモネジをねじ込み、先端をシャフトに押し付けることで固定します。

位置決め

イモネジは、部品の位置決めにもよく使われます。

例えば、

・ストッパー

・調整機構

・治具

などで、微妙な位置調整を行う際に便利です。

外観をすっきりさせる

頭部が外に出ないため、外観をすっきりさせたい場所にも適しています。
装置のカバーやハンドルなど、デザイン性が求められる部分でもよく使われます。

イモネジの主な先端形状

イモネジは、先端の形状によっていくつかの種類に分けられます。

用途に応じて適切なものを選ぶことが重要です。

平先(フラットポイント)

最も一般的なタイプです。

先端が平らになっており、対象物を傷つけにくい特徴があります。

主な用途:一般的な固定、位置決め

くぼみ先(カップポイント)

先端にくぼみがあるタイプで、最も固定力が高いのが特徴です。

シャフトに食い込むため、振動のある装置などでよく使用されます。

主な用途:回転部品の固定、強い締結

棒先(ドッグポイント)

先端が棒状に突き出ているタイプです。

相手側に穴を設けて使用することで、位置決め精度が高くなります。

主な用途:位置決め、再組立が必要な装置

とがり先(コーンポイント)

先端が鋭く尖っているタイプです。

材料に食い込むため強い固定力がありますが、相手材を傷つける可能性があります。

主な用途:仮固定、軟質材料の固定

イモネジの材質

イモネジは形状だけでなく、使用する環境や用途に応じてさまざまな材質が選ばれています。装置の使用環境や求められる性能によって適した材質は異なり、強度、耐食性、相手材への影響などを考慮して選定することが重要です。

鉄(SCMなど)

最も一般的な材質です。

黒染め処理されたものが多く、機械装置で広く使用されています。

特徴:強度が高い、コストが低い

ステンレス

耐食性が必要な場所ではステンレス製が使用されます。

主な用途:食品機械、屋外設備、水回り

樹脂

特殊用途では樹脂製のイモネジも使用されます。

相手材を傷つけたくない場合に有効です。

イモネジには、強度に優れた鉄製、耐食性に優れたステンレス製、相手材を傷つけにくい樹脂製など、用途に応じたさまざまな材質があります。使用する環境や装置の条件に合わせて適切な材質を選ぶことで、より安定した固定やトラブル防止につながります。

イモネジ選定のポイント

イモネジは一見シンプルな部品ですが、使用環境や目的に合わせて適切な種類を選ぶことが重要です。先端形状や材質の違いによって固定力や相手材への影響、耐久性などが変わるため、用途に応じた選定が装置の安定した動作につながります。

固定力

振動のある装置では、くぼみ先など固定力の高いタイプを選びます。

相手材の硬さ

シャフトなどを傷つけたくない場合は、平先を選ぶのが一般的です。

再調整の有無

頻繁に位置調整を行う場合は、棒先タイプが適しています。

腐食環境

屋外や湿気の多い環境では、ステンレス製を選ぶと長寿命になります。

イモネジ使用時の注意点

イモネジはサイズが小さい部品であるため、締付け方法や使用環境によっては折損や緩み、相手材へのダメージが発生する可能性があります。こうした問題を防ぐためには、下記のような代表的な使用時注意点を理解しておくことが大切です。

締め過ぎ

小径のイモネジは折損しやすいため、締めすぎには注意が必要です。

緩み

振動のある装置では緩むことがあります。

必要に応じてネジロック剤、ダブル固定などを検討してください。

シャフトの傷

くぼみ先やとがり先はシャフトを傷つける可能性があります。

再利用を考慮する場合は注意が必要です。

当社が手掛けるイモネジの特徴

イモネジは、機械装置の固定や位置決めに使用される重要な部品です。サイズは小さいものの、締結力や精度が装置全体の安定性や信頼性に影響するため、用途に適した品質と仕様が求められます。

当社では、機械部品として安心して使用できるイモネジを提供するため、材料選定から加工、表面処理に至るまで品質を意識した製品づくりを行っています。

また、標準規格品の供給だけでなく、用途に応じた追加工にも対応している点が当社の特徴の一つです。例えば、先端形状の変更や長さ調整、特殊な寸法への対応など、使用環境や装置仕様に合わせた加工が可能です。これにより、市販の標準品では対応が難しい用途にも柔軟に対応することができます。

イモネジは装置の中で目立つ部品ではありませんが、シャフトや部品の固定を確実に行うためには重要な役割を担っています。当社では、標準品から追加工品まで幅広く対応することで、お客様のものづくりを支える部品提供を行っています。

当社のイモネジ実績製品のご紹介

S45C 尖り先イモネジ 追加工品

イモネジの尖り先製品 追加工品①

こちらは、自動車関係の産業機械で使用されるS45C製のイモネジになります。ユニファイ規格の尖り先は、市販品が無いため当社にお声がけ頂きました。

油圧チャックの力でネジ山が潰れてしまわないように、自社保有の治具で固定することで、自動機での加工を可能として高精度の製品を製作いたしました。

SCM435 イモネジ 追加工品

こちらは、産業機械に組み込まれる、イモネジの追加工品となります。

市販品への平先加工、全長の指定公差加工、中心への空気穴加工を行いました。

リピート性もあるため、専用治具を作成することで、一度に大量追加工できるように対応致しました。

イモネジ空気穴加工品①

イモネジの特注製作・追加工なら、株式会社山崎にお任せください

イモネジは、機械装置の部品固定や位置決めに使用される小さなねじですが、装置の安定した動作を支える重要な役割を担っています。用途に応じて先端形状や材質を選ぶことで、より確実な固定やトラブル防止につながります。

また、現場ではイモネジやホーローセット、設計や規格では止めねじ、海外ではセットスクリューと呼ばれるなど、さまざまな名称が使われていることも特徴です。

こうした基礎知識を理解しておくことで、図面やカタログの理解や部品選定がよりスムーズになります。イモネジの特性や用途を把握し、適切な製品を選ぶことが、機械装置の信頼性向上につながります。

イモネジの特注加工をご検討の際は、是非お気軽にご相談ください。

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