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技術コラム

SNB7製スタッドボルトの特徴とメリットとは?

過酷な環境下での締結において、その高い強度と耐久性から信頼を集めるSNB7製スタッドボルト。石油化学プラントや発電所など、高温・高圧が常識の現場でなぜSNB7が選ばれ続けるのでしょうか?

この記事では、SNB7製スタッドボルトの基本的な特徴から具体的な用途、そして標準品では対応できない特殊なニーズに応える特注製作の可能性まで、詳しく解説します。

SNB7製スタッドボルトとは?


SNB7製スタッドボルトは、高温・高圧環境下での使用に特化した高温用合金鋼ボルト材の一種です。主にクロムモリブデン鋼に相当し、熱処理が施されることで、優れた機械的性質と高温強度を持つのが特徴です。

この材料は、日本のJIS G 4107で規格が定められており、アメリカのASTM A193 Grade B7に相当します。

スタッドボルトは、両端または一部にねじが切られており、主にナットと組み合わせて使用されます。SNB7製スタッドボルトの最大の特長は、高温環境下でも安定した高い張力(締結力)を維持できる点にあります。これは、通常のボルトでは対応が難しい、過酷な温度や圧力がかかる設備の安全性を確保するために不可欠な性能です。

SNB7の主な特徴とメリット


SNB7製スタッドボルトが過酷な環境で選ばれるのには、明確な理由があります。

優れた高温強度

高温下での引張強度やクリープ特性(高温で長時間力がかかっても変形しにくい性質)に優れています。これにより、高温に晒される配管や圧力容器のフランジ締結などにおいて、緩みや変形を気にすることなく、長期にわたって安定した締結力を維持できます。

高張力・高強度

非常に高い引張強度と降伏点(材料が変形し始める点)を持ちます。これは、強力な締結力が求められる箇所で、部品同士をしっかりと固定し、高い信頼性を確保するために不可欠な特性です。

限定的な耐食性

一般鋼よりは耐食性に優れますが、ステンレス鋼ほどの高い耐食性はありません。そのため、腐食性環境で使用される場合は、黒染めや亜鉛めっき、テフロンコーティングなどの適切な表面処理が施されることが一般的です。

高い耐摩耗性・耐久性

適切な熱処理が施されているため、高い硬度を持ち、摩耗に強く、長期間の使用に耐えうる耐久性を備えています。

SNB7製スタッドボルトの主な用途


SNB7製スタッドボルトは、その優れた特性から、特に安全性が重視される高温・高圧環境で幅広く活躍しています。

石油化学プラント・製油所

原油や化学物質が高温・高圧で流れる配管、バルブ、圧力容器、塔槽類などのフランジ締結に不可欠です。ガスケットの圧縮状態を維持し、漏洩を防ぐ上で重要な役割を果たします。

火力発電所

蒸気タービンやボイラー、熱交換器など、高温・高圧の蒸気や水が通るラインの締結に用いられます。安定した稼働を支える基幹部品です。

一般産業機械

高温になるエンジン周辺や炉、乾燥機など、特定の熱影響を受ける部分の締結にも採用されることがあります。

その他高温・高圧環境

化学工場、製鉄所など、通常のボルトでは強度や耐久性が不足する過酷な温度・圧力条件下のあらゆる設備でその性能が求められます。

SNB7製スタッドボルト選定のポイントと注意点


SNB7製スタッドボルトを適切に選定するためには、以下の点に注意が必要です。

使用温度範囲の確認

SNB7の推奨使用温度範囲は、一般的に-29℃から約450℃程度が目安とされていますが、これはあくまで目安です。実際の使用環境の温度や圧力条件を正確に把握し、材料のクリープや劣化を考慮する必要があります。

圧力条件の考慮

高温と同時に高圧がかかる場合、材料への負荷はさらに増大します。圧力容器や配管の設計基準に基づき、十分な強度を持つSNB7製スタッドボルトを選定することが必須です。

環境(腐食性など)の評価

SNB7は耐食性を持つものの、塩害や酸性ガスなど、特に腐食性の高い環境では、表面処理の選定が非常に重要になります。場合によっては、より耐食性の高いステンレス鋼や特殊合金といった上位材料への検討も必要です。

適切なナットとの組み合わせ

スタッドボルトはナットと組み合わせて初めて機能します。SNB7製スタッドボルトには、同等の高温強度や熱膨張係数を持つSNB7LやSNB8Lなどのナット(ASTM A194 Gr.7またはGr.2H)を組み合わせることが推奨されます。不適切な組み合わせは、締結不良や破損の原因となります。

規格外・特殊仕様のSNB7製スタッドボルトの特注対応


標準規格のSNB7製スタッドボルトは広く流通していますが、すべての設計ニーズを満たせるわけではありません。

なぜ特注が必要になるのか?


例えば、既存設備への組み込みで市販品にない特定の長さや径が必要な場合、あるいは両端のねじ長さを変えたい、センターに加工を加えたいといった特殊な加工が必要なケースがあります。また、特定の表面処理や、より厳密な検査要件が求められる場合も、特注製作が不可欠になります。

当社の特注対応の強み


当社では、お客様の具体的なご要望に応じて、SNB7製スタッドボルトの特注製作を承っております。ご希望の寸法、特定の加工、特殊な表面処理など、お客様の「こうしたい」を形にする技術力があります。また、少量からの製作にも柔軟に対応し、長年の経験と知識を活かして、お客様のニーズに合わせた最適な製品をご提案いたします。

また、規格品への追加工にも柔軟に対応いたします。長さ調整、片側端面の追加工など承りますので、ご相談ください。

SNB7製ボルトの調達、加工、製作は当社にお任せください。

いかがでしたでしょうか。特殊なサイズ、材質、形状、あるいは厳しい環境要件などの六角ボルトの調達や製造、規格品の六角ボルトへの追加工などはぜひ当社にお任せください。

当社は、他社で断られがちな難易度の高い六角ボルトの加工・製作、規格品の追加工、金属部品の樹脂化、ポンチ絵や現物からの製造まで、培った技術力と柔軟な対応力でお客様の課題を解決します。六角ボルトに関するどんなご要望でも構いません。まずはお気軽にご相談ください。

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